実際に仙台でコンベンションを開催したからこそ”実感”できること。
学術会議の主催者の話から見える仙台開催の魅力を探ります。
東北大学 災害科学国際研究所 前所長今村 文彦 氏
第30回国際津波シンポジウム 主催者
これまで世界防災フォーラムや国際津波シンポジウムなど、仙台市で数多くの国際会議を開催させていただきましたが、印象に残っているのは2015年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議です。本学主催のフォーラムに当時、国連事務総長を務められていた潘基文(パン・ギムン)氏に登壇をお願いした時のことです。内容は東日本大震災後の被災地等を訪問されての印象ですが、特に復旧や復興に携わる若者たちの活動が素晴らしいとお話されました。地元の方は勿論、全国から支援に集まってくれた多くの若者たちの姿を眼にしての感慨だと思いますが、若者への活動の素晴らしさと今後の期待を強く感じましたね。
こうした国際会議やシンポジウムには様々な地域から多くの方が参加されますが、先ずは仙台、東北という地域を、特にその土地の文化や歴史、自然等を含めて知っていただくことが大切であり、また、それが、国際会議等が継続するポイントになると思いました。
会議に参加された方々からの仙台市の印象は、都市機能と自然環境が身近で調和し、便利で快適な街だということ。地下鉄東西線の開業もあり、交通インフラを含め、アクセスの良さも、好感をもたれた要因だと思います。
私の専門とする国際会議を仙台市で開催する意義の一つは、東日本大震災の被災地を訪れ、震災の爪痕や復興した現在の姿を現場で視察できることです。例えば、津波の浸水域の大被害と、そうではない地域との明暗を目の当たりにできたことが彼らにとって印象的だったようです。これらも仙台市で開催する大きな利点なのかも知れません。
一方で現在、地域の文化遺産をどのように守っていくのか、という問題があります。勿論、人命が一番ですが、地域の文化遺産も地域のマインド、心としてとても大切なものです。その地域の歴史、マインドが失われてしまうと、未来を予見しづらくなり、コミュニティも成立しづらくなるからです。地域の心の拠りどころとなる文化遺産も大切に守っていきたい。そのためにも地域の歴史や文化を発信し続けることも重要です。
仙台市は歴史性や地域性に鑑みて、交流することで栄えた地域であり、そうした交流を国内外に広めていくことが仙台市の役割だと思います。学術的なバックグラウンドと現場を組み合わせて国際会議を開催できることは仙台市の最大の魅力です。そうしたメリットも含め、さらに国内外との交流を発展させていきたいと考えます。
開催年月 | 会議名 | 参加者数 |
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1984年 7月 | 第1回民間ユネスコ運動世界大会 | 2,300名 |
1990年 4月 | 国連軍縮仙台会議 | 42名 |
2004年 10月 | 第1回グリーン購入会議 in 仙台 | 750名 |
2010年 9月 | 2010年APEC第3回高級実務者会合(SOM3) | 950名 |
2012年 7月 | 世界防災閣僚会議 in 東北 | 800名 |
2012年 10月 | 第67回国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会特別イベント 「防災と開発に関する仙台会合」 | 320名 |
2013年 11月 | 第1回アジア国立公園会議 | 800名 |
2015年 3月 | 第3回国連防災世界会議 in 仙台 | 6,500名 |
2016年 5月 | G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議 | 800名 |
2016年 9月 | 第8回日ASEAN防衛当局次官級会合 | 73名 |
2017年 11月 | 世界防災フォーラム/防災ダボス会議@仙台2017 | 947名 |
2019年 9月 | 第31回OIEアジア・極東・太平洋地域総会 | 110名 |
2019年 11月 | 世界防災フォーラム/防災ダボス会議@仙台2019 | 871名 |
2022年 12月 | 第4回世界津波博物館会議 | 55名 |
2023年 5月 | G7仙台科学技術大臣会合 | 90名 |
開催年月 | 会議名 | 参加者数 |
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2017年 3月 | 日本薬学会第137年会 | 7,273名 |
2017年 5月 | 第90回日本整形外科学会学術総会 | 8,000名 |
2017年 6月 | 第116回日本皮膚科学会総会 | 5,000名 |
2017年 8月 | 第65回日本PTA全国研究大会仙台大会第49回日本PTA東北ブロック研究大会仙台大会 | 8,192名 |
2017年 9月 | 2017年国際固体素子・材料コンファレンス | 892名 |
2017年 12月 | 第24回ディスプレイ国際ワークショップ(IDW’17) | 1,296名 |
2018年 5月 | 第70回日本産科婦人科学会学術講演会 | 8,104名 |
2018年 5月 | RubyKaigi 2018 | 1,000名 |
2018年 6月 | ストリング理論・数学国際会議2018 | 393名 |
2018年 7月 | 錯体化学会第68回討論会 | 1,057名 |
2018年 7月 | 第43回錯体化学国際会議(ICCC2018) | 2,392名 |
2018年 8月 | Surgery First Summit 2018 | 280名 |
2018年 9月 | 2018年度日本建築学会大会(東北) | 10,500名 |
2018年 9月 | 第24回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会 | 5,700名 |
2018年 10月 | 一般社団法人日本脳神経外科学会第77回学術総会 | 5,714名 |
2018年 10月 | 第14回原子レベルで制御された表面・界面およびナノ構造に関する国際会議 | 597名 |
2019年 2月 | The 2nd Symposium for World Leading Research Centers-Materials Science and Spintronics-jointly organized with AMIS 2019 | 350名 |
2019年 5月 | 第62回日本糖尿病学会年次学術集会 | 12,000名 |
2019年 6月 | 第31回日本老年学会総会 | 9,500名 |
2019年 9月 | 第73回全国レクリエーション大会 in 宮城2019 | 14,000名 |
2019年 9月 | 国際トライボロジー会議仙台2019 | 829名 |
2019年 9月 | 第15回シンチレータとその応用に関する国際学会 | 246名 |
2020年 1月 | 第28回全国救急隊員シンポジウム | 8,274名 |
2020年 2月 | 第6回グローバルQA会議 | 546名 |
2021年 9月 | 第17回世界地震工学会議 | 271名 |
2022年 10月 | 第11回反応性プラズマ国際会議/第75回気体エレクトロニクス会議(ICRP11/GEC2022) | 550名 |
2022年 10月 | 第55回日本薬剤師会学術大会 | 5,050名 |
2022年 10月 | 第12回国際NO学会学術集会/第22回日本NO学会学術集会(Redox Week inSendai 2022) | 320名 |
2022年 11月 | 第19回流動ダイナミクスに関する国際会議(ICFD2022) | 411名 |
2022年 11月 | アジア・オセアニア放射光フォーラム2022仙台(AO-SRI 2022) | 219名 |
2023年 5月 | 2023米国電気電子学会国際磁気会議(INTERMAG 2023) | 1,774名 |
2023年 8月 | 第17回岩石-水相互作用国際会議・第14回応用同位体地球化学国際会議 | 411名 |
2023年 8月 | 第72回全国高等学校PTA連合会大会2023宮城大会 | 6,197名 |
2023年 9月 | DNAコンピューティングと分子プログラミングに関する国際会議 | 214名 |
2023年 9月 | 日本物理学会第78回年次大会(2023年) | 4,188名 |
2023年 9月 | CIGRE 2023 仙台大会 | 486名 |
2023年 10月 | 第12回臨界安全性国際会議 | 293名 |
2023年 10月 | 第35回磁気共鳴血管造影学会大会 | 242名 |
2023年 11月 | 第6回環境応答国際シンポジウム | 142名 |